サークル「ボクスズキ」の日記ページ「ボクらの日記」ですー。スカルガ、アイマス等で活動中。
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近況というかゲームの話

こんにちは。三咲です。

休みだイェイ!!

というわけで、最近あんぱんさんにばかり更新を任せてしまっていたので、自分も何か書こうと思います。


【FGO】
圧倒的引き弱。この前星4ネロちゃま引いたくらいで、配布された石30個と呼符10枚も普通にスった。

ボックスガチャも術ギル&嫁ネロから3ターン周回できなくなってモチベダウン。

結局40箱弱で終わる。

ハロウィン復刻はストーリーは好きだけど、交換に魔術髄液無いから竜の牙取れればいいかなー。

剣豪はよ。


【かんぱに】
敵が強すぎてしばらく放置していたけど、3周年で好きなキャラ貰えたので少し復帰。

ドロップ率アップの恩恵でキャラの専用武器レシピがぼろぼろ落ち、パーティが急速に成長。

今まで足止めされていたストーリーも楽々クリアできるようになり、今たぶん一番楽しい。

しかし、専用武器レシピが落ちるクエストをクリアするにはそこそこの戦力が必要なので、サークルメンバーに「今始めるといいよ!」などと無暗におすすめできないのが残念。


【デレステ】
双翼で燃え尽きたので充電期間。

宝くじスった。


【マギレコ】
れんを引いてウッキウキでイベントしてた。

うちのまどかさん4穴なので、色々と楽でした。

昨夜杏子ちゃん引けたので、また今日からウッキウキでイベントする。

杏子ちゃんかわいい。


【イラスト】
しばらくサボってたけど、今塗ってます。


【MTG】
ぎゃざに恐竜とか別に求めてない…。

神とか天使とか悪魔とかの方が個人的にテンション上がる。

あと吸血鬼。

でも、新弾に黒のインスタントでクリーチャー追放があるとかないとかいう話を聞いたので、そこは興味ある。


【TRPG】
年末はみんなで集まれるといいなぁ。


それでは、今回はこの辺で。
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[ 2017/09/29 12:27 ] 三咲日記 | TB(0) | CM(0)

ネコミミ探偵トミーの事件簿『ケモノ人間を追え』その7

こんにちは! スマホの空き容量がほとんど無いのに、マギレコに続きアズレンまで始めてしまったあんぱんです!

いや~、あまりにも空き容量がカツカツ過ぎて、メールの送受信すら出来なくなったときは流石に焦りましたね~。

各種キャッシュを削除しまくってなんとか延命していますが、この先どうなることやら……。

スマホの空き容量とレインボーオーブと赤城&加賀をどうにかして手に入れたいものです。

まぁ、そんな話は置いといて、『ケモノ人間を追え』その7スタートです!


前回
『ケモノ人間を追え』その6

前回のあらすじ
トミーはイキガミ様との接触を果たすが彼女の正体を見極めることは出来なかった。
そして集会が始まり、トミーを含めた信者たち全員に「聖水」が振舞われたのだった。




────トミーが教団のビルに潜入してから、はや数時間……

黒江「……遅いっスね」

俺と八木さんの2人はとっくに周辺での聞き込みや探索を終わらせ、待ち合わせ場所に戻り、ビルからトミーが出てくるのを待っていた。

だが、いつまで待っていてもトミーがビルから出てきやしない。

それどころか、かなりの間ビルを見張っているというのに、信者の1人すらビルから出てくる様子がない。

中で何かが行われているという事だろうか?

八木「……さて、どうしましょうか……?」

俺たちの調査の結果、他にヘビ人間たちが拠点にしていそうな怪しい場所は発見できなかった。

つまり、この教団ビルがヘビ人間の拠点である可能性がより濃厚になったという訳だ。

もっとも、肝心のトミーの調査結果がなければ、確信には至れないのだが……。

そのトミーがいつまでたってもビルから出てこないのではどうしようもない。

黒江「……俺たちもビルに乗り込んで中を調べた方がいいかもしれないっスね」

八木「そうですね、賛成です。 こちらはこちらでトミーとは別に行動しておきましょうか」

本当はトミーと連絡が取れればそれが一番いいのだが、曲がりなりにも潜入調査中のトミーの携帯に、こちらから不用意に連絡はかけない方がいいだろう。

黒江「となるとまぁ、入り口の警備員たちが邪魔っスねぇ」

八木「ええ、私たち2人は武装していますから、トミーのように入信希望者の振りも出来ませんしね。 ……忍の目から見て、彼らがヘビ人間なのかどうか黒江には判断できますか?」

黒江「……いえ、さっぱりっスね」

一見すれば人間にしか見えない。

だが、ヘビ人間の擬態能力がどの程度のものなのかも分からないし、外見だけで判断するのは早計だ。

八木「そうですか。 確認しますが、それは『人間である』……という断定も出来ないということですね?」

黒江「まぁ、そうなりますけど?」

八木「ふむ。 では無駄に時間をかける訳にもいきませんし、サクッと排除してしまいましょう」

黒江「…………まじスか?」

俺は驚いた。

八木さんは警察官であり、警察官の職務は市民を守ることである。

警察官の口から、今のような過激な提案が出てくるとは思わなかった。

黒江「一応言っときますけど、相手は只の人間かもしんないんスよ……?」

教団ビルがヘビ人間の拠点である可能性が極めて濃厚だとしても、確実な証拠は何一つ掴んでいない。

そもそも、ここが拠点であっても警備員までヘビ人間であるとは限らないのだ。

警備員たちが人間である可能性はまだ十二分にある。

……実のところ、警備員たちを排除してしまおうという提案には俺も異論はない。

護衛任務でもない限り、俺たち隠れ里の忍が守護すべきは『人』ではなく、あくまでも『人の世』である。

俺が一番に優先するのは、人の世の脅威となりうる異形の者の退治であり、それを全うするためならば多少民間人を犠牲にすることさえも厭わないつもりだ。

だが俺が民間の犠牲を割り切れるのは、俺が忍であるが故だ。

提案自体には賛成しながらもついつい問いただしてしまったのは、警察官である八木さんがどこまで本気で今の提案をしたのかを推し量れなかったからである……。

そんな俺に八木さんはニヤッと不敵に笑って答えた。

八木「確かになんの証拠もありません。 ですが私の勘が奴らをバケモノだと告げてるんですよ」

これには俺も笑うしかなかった。

黒江「ハハッ、なるほどっ」

かつてギャンブラーとして幾多もの修羅場を乗り越えてきた八木さんである。

ただの勘だとしても、八木さんがこうも自信満々に言うならば、これほど心強い勘もない。

黒江「じゃあ決まりっスね」

俺はクナイを構え、警備員に向き直った。

……だが、いまいち狙いが定まらない。

どうやら、らしくもなく俺は緊張しているようだ。

黒江「……実は実戦はこれが初めてなんスけど、結構緊張するもんっスねぇ」

八木「私も射撃訓練場以外で射撃するなんて初めてですよ」

緊張しているのは隣で銃を構える八木さんも同じだった。

互いに呼吸が少しだけ荒くなっていた。

しかし、警備員たちを排除するとせっかく速やかに決したというのに、ここでもたついてしまっては何の意味もない。

黒江「すぅー……。 ────フッ!!」

俺は大きく息を吸い呼吸を整え、一気にクナイを放った。

────キィン!

警備員A「なんだっ!?」

突然の奇襲に慌てふためく警備員たち。

だが警備員たちは2人とも無傷である。

俺が放ったクナイは警備員には当たらず、ビルの外壁にぶつかり弾かれていた。

黒江「……しまった……!」

八木「フォローしますっ!」

俺の攻撃に続き、八木さんが素早く発砲した。

────パァン!!

八木さんは命中率8割を誇る、拳銃の名手だ。

……だが緊張というものは、こうまで結果を左右するのか。

八木さんの放った銃弾も敵に当たることはなかった……。

八木「くっ!」

警備員B「む!? あそこだ!!」

警備員A「貴様らぁ!!」

奇襲攻撃は失敗し、隠れている場所もバレてしまった。

険しい形相の警備員たちがこちらに向かってくる。

その内の1人が八木さん目掛けて銃を発砲した。

八木────っと、危ない!」

八木さんは敵が引き金を引く瞬間に合わせ、軽やかに身をかわした。

黒江「流石っスね!」

八木さんの戦闘技術は拳銃の腕前だけでなく、回避能力も超一流だ。

正面を切っての1対1の決闘では、忍である俺も八木さんには敵わないだろう。

もう1人の警備員は俺に向かって発砲したようだが、避けるまでもなく弾は運良く俺の身体を逸れていった。

黒江「襲われてから反撃までの対応がずいぶんと早かったっスね。 しかも警備員のくせに銃なんか持っちゃって……」

八木「その上、あの銃は発砲音から察するに私たち警察の物より威力が高いですよ」

急に襲撃などされれば普通は素早く反撃など出来ず、慌てふためくものである。

そうならず、これほど素早く反撃に転じることが出来るということは、ビルが襲撃される可能性を前もって想定済みだったということだ。

なおかつ、米軍基地内でもないかぎり警備員という職業に拳銃の所持など許されていない。

これで決まりだ────

奴らは人間なんかじゃない!!

黒江「さっきは外したけど、今度は外さないっスよ!」

八木「ええ、今の攻防で緊張は解けました。 覚悟してください!」


────────それからの戦いは一方的だった。

警備員A「ぐッ」

警備員B「がはあぁ」

俺たちは一度も攻撃を食らうことなく見事に敵の始末に成功した。

警備員たちはそれぞれ短い悲鳴を上げて事切れた。

八木「ふぅ、なんとか倒せましたね。 ……なっ!!」

八木さんが事切れた警備員の顔を見て、目をむいた。

黒江────ッ!?」

何事かと俺もその死体の顔に視線をやると、ずるりずるりと顔の表皮が剥がれ出していた。

その様子はまるでヘビが脱皮でもしているかのようで、俺たちは息を呑む。

顔の皮が全て剥がれ落ち、その下からあらわになったのはウロコに覆われた顔。

これこそが奴らの正体。

グールと異なり形こそ人間のようだが、ウロコだらけのその顔は間違いなく『ヘビ人間』と呼ぶに相応しい素顔だった。

黒江「やっぱり異形の者だったっスね!」

八木「驚くべき擬装能力でしたね……。 ですが呆けている暇はありません。 とりあえず、所持品を調べてみましょう」

八木さんはヘビ人間の死体からまず拳銃を拝借し、他にも使えそうな物を持っていないか物色する。

八木「おっと、これは?」

胸ポケットからセキュリティーカードが出てきた。

きっと教団ビルの中で使用するのであろう。

八木「このカードもありがたく貰っておきましょう」

そのカードの他には特に何も持っていないようだ。

黒江「こんなもんっスかね」

八木「そうですね。 さぁ、この死体が一般人に見つかって騒ぎが起こってしまう前に、どこかに隠してしまいましょうか」

だが死体隠滅を図ろうとしたその時、死体に異変が起こった。

突然、粉のようにサラサラと崩れ出し、空気中に霧散し始めたのだ。

八木「これはいったい────!?」

混乱する俺たちをよそに、あれよあれよという間に警備員たちの死体が消え失せてしまった。

それどころか、身に付けていた制服などの類も死体と共に跡形もなく消え去っている。

先ほどまでここに死体があったことが嘘であるかのように、警備員たちの痕跡が忽然と消えてしまったのだ。

俺たちは驚きを隠せなかった。

八木「……な、なにが起こったんですか……?」

黒江「……分からないっス……。 元々死んだ後はこうなる種族だったのかもしれないし、それともなんらかの都合で前もって魔術でもかけてたのかもしれないっスね……。」

八木「そうですか。 黒江でも分からないのなら、死体が消失した原因など考えても仕方ありませんね……。 ですが考えようによっては死体の隠蔽を気にしなくて良くなったので我々にとっては好都合ですし、良しとしましょう」

黒江「……ポジティブっスね八木さん。 ま、今は先を急ぎましょうか」

このビルがヘビ人間の拠点であることは確定した。

昼の間は戦闘員たちの多くが地下遺跡に攻め入っているので、今ならビルの警備は手薄になっているはずである。

この機を逃す手はない。

それに逆を言えば夕方には多くの戦闘員がこの拠点に戻ってきてしまうということだ。

なんとかそれまでに事を成さねば。

俺たちは急ぎビルに突入した。

黒江「うわぁ……。 このビル、地下室があるじゃないスかぁ」

ビルに入り、まず目にしたのは地下へと続く階段だった。

4階建てのビルではなかったのだ。

八木「……とにかく、まずはこの階を調べてみましょう」

早速俺たちは1階フロアを探索した。

だが、この階には目ぼしい物はなく、トミーも発見出来なかった。

黒江「次に調べるべきは2階か地下か……」

八木「イキガミ様がいるのは、セオリー通りなら最上階の4階だと思われます。 であれば上の階に向かうより、先に地下を調べてしまった方がいいのでは?」

黒江「それもそうっスね」

俺たちは1階の次は地下を調べ、そこから順に上の階に向かって調べていくことにした。

方針が決まったのでさっそく階段を下りていく。

ところが地下フロアへの入り口はロックされた頑丈な扉で閉ざされていた。

しかし問題はない。

八木「なるほど、地下は本来立ち入り禁止になっているようですね。 ですが、あいにくセキュリティーカードは入手済みです」

扉の脇にはカードリーダーが付いていた。

そこに先ほど警備員から奪ったカードを通すと、ピッという認証音と共に扉のロックは解除された。

俺たちは重い扉を開け、地下フロアに足を踏み入れた。

この階にはいくつか部屋があるようだが、俺たちは近くの部屋から順に調べていくことにした。

黒江「ここは……。 武器庫っスかね?」

最初に入った部屋では弾薬がいくつも保管されていた。

しかしそれを使うための銃火器の類が1つも見当たらない。

おそらく、この部屋に置いてあった武器は地下遺跡へ向かっている戦闘員が持ち出し中なのでだろう。

だが警備員から銃は奪取済みなので、弾薬が残っていればそれで十分だ。

八木「ちょうどいい。 弾を補充しておきましょう」

八木さんは予備の弾を含め、いくつか弾薬を頂戴した。


────────────────────────────

武器庫の探索を終えて隣の部屋に向かうと、その部屋にも大量の物資が保管されていた。

ただし保管されていたのは武器ではなく、大量のビンである。

赤いラベルのビンと、白いラベルのビンの2種類が存在したが、そのどちらのビンも中には液体が入っている。

それぞれのビンを一本ずつ開けて調べたところ、白いラベルの方の液体は白濁色でほのかに甘い匂いがし、赤いラベルの方は無色透明で匂いも無かった。

どちらもおそらくは飲み物だろうということは分かったが、それ以上のことは分からない。

黒江「ラベルが紅白だし、お神酒的な物っスかね?」

八木「……分かりませんが、ヘビ人間の教団が保管している飲み物なんて、とてもじゃありませんが手をつける気にはなりませんね」

俺たちはそのビンのことは放っておき、次の部屋に向かった。

隣にあったのは資料室だ。

本棚に2人では調べきれぬほどの本がズラッと並んでいる。

それらほとんどの本が日本製ではないらしく、背表紙のタイトルがアルファベットの物ばかりだった。

黒江「……外国語はさっぱりなんで、ぜんぜん読める気がしないんスけど……」

八木「……同感です」

────2人とも外国語が読めないんじゃ、ここの本を調べたところで何も手がかりは掴めなそうだ……。

そう考えながら並んでいるタイトルを目で追っていた時だった────

黒江「……ん?」

ふと一冊の本が目に付いた。

他の本と同様タイトルすら正確に読めない外国の本なのだが、どうしてだか俺はその本から目が離せなくなっていた。

八木「どうかしましたか?」

黒江「いや……、なんかこの本が気になって……」

俺はその本を手に取り、ペラペラとページをめくってみた。

すると────

黒江「…………うっ!」

とたんに俺は激しい眩暈に襲われた。

───なんスか……、これは……?

朦朧とした意識の中、とある光景が脳裏に焼きついていく。

八木────黒江! 黒江ッ!!」

黒江「……ハッ!?」

八木さんの必死の呼びかけにより、飛びかけていた俺の意識が正常に戻る。

気づいた時、俺は汗だくになっていて、本を手にしたまま床に片膝をついていた……。

八木「急にどうしたんです? 大丈夫ですか……?」

八木さんが不安そうに声をかけてくる。

黒江「……どうやらこの本、いわゆる『魔術書』って奴みたいっスね……。 それもとっておきにヤバイ奴っス」

八木「魔術書……? それで、いったいその本に何が書かれてたんです?」

黒江「いえ、書かれてる内容までは分からなかったっス……。 ……ただ、この本のお陰で俺たちが阻止すべき奴らヘビ人間の計画がハッキリしたっスよ……」

この本をめくったときに見えたビジョン、俺の脳裏に焼きついた光景────

それは、まさに神とでも呼ぶべき禍々しい大蛇の姿だった。

黒江────この地に蛇神を降臨させる。 それこそがヘビ人間どもの企みっス!!」



その8に続く




八木&黒江の、疑わしきは問答無用で排除していくスタイル。

こやつらなかなかの剛の者よ!

それでは今回はこの辺で。

ネコミミ探偵トミーの事件簿 『ケモノ人間を追え』その6

こんにちは、最近になって三国志大戦熱が地味に再燃してきているあんぱんです!

GWに社長に陸遜を貰ったおかげで、全国対戦でもなんとかマトモに戦えるようになってきました!

といっても、月に1度ゲーセンに行くか行かないか程度で、ランクはまだ六品上位なんですけどねw

GWに対戦した時には同じ呉民である三咲さんにフルボッコにされましたが、再び対戦する機会があったら今度こそ城壁に一撃お見舞いしてやりますよ!(勝てるとは言っていない)

まぁ、そんな話は置いといて、『ケモノ人間を追え』その6スタートです!


前回
『ケモノ人間を追え』その5

前回のあらすじ
手っ取り早く捜査を進めようと、八木と黒江の反対を押し切って単身で教団ビルに乗り込んだトミー。
入信希望者のフリが上手くいき、とんとん拍子に事が運んでイキガミ様との対面を果たすが、彼女の姿にトミーは驚愕した。





自分は呆然と巫女に見とれてしまっていた。

長い漆黒の髪がまるで絹のように艶やかにきらめき、髪の色とは対照的に肌の色は透けるように白く、それでいて病的ではなく瑞々しさを感じさせる。

自分が美人に弱いことを差し引いたとしても、彼女の可憐さに異を唱える者などいないはずである。

化粧やアクセサリーでめかし込んでいる様子はないのに、それでも目を見張るばかりの美しさだ。

きっと絶世の美女とは、彼女のような女性のことを言うのだろう。

……いや、「美女」という表現は適切ではなかった。

正しくは「美少女」だ。

その圧倒的な美貌ももちろんのことなのだが、彼女の年齢も自分を唖然とさせた。

綺麗に整った顔立ちのために一見大人びて見えるものの、よくよく見れば黒江と同じか、もっと年下……。

身長も160センチに満たないだろう。

彼女が見た目通りの年齢であるならば、まだ10代半ばほどのはずである。

イキガミ様なんて呼ばれて崇められている教団の最高幹部が、こんな若い女の子だったなんて……。

事前の想像と違ったといえば、彼女が着ている服も自分がイメージする一般的な巫女服とはだいぶ異なる装束だが、これがこの教団の巫女装束のようだ。

それにしても……

は~、見れば見るほど可愛い。

少し首をかたむけながら目をうっすらと細めて微笑むその仕草もやけに魅力的だ。

長いまつ毛と左目下の泣きぼくろが、どことなく小悪魔的でもある。

トミー「…………ハッ!」

しまった、いつまでも魅入られている場合ではない。

自分は、彼女が人間なのかバケモノなのかを見極めなければいけないのだ。

ここは上手く取り入っておかなくては────

トミー「ごめん! すごい美人だからビックリしちゃって……。 自分は富永────

あ、いけない!

今の自分は入信希望者で、彼女は教団のお偉いさんである。

年下の女の子相手だからついタメ口で話しかけてしまったが、立場は彼女の方がずっと上なのだ。

トミー「っと、すみませんタメ口で!」

自分はすぐに謝罪し、改めて敬語で挨拶をしなおそうとしたが、彼女は意に介した様子も見せずニッコリと笑って言った。

巫女「構いませんわ。 拝見しましたところ、わたくしと年齢も近そうですし、そのようにかしこまらずに楽な口調で接してくださいませ」

トミー「いえ、新人の自分が巫女様に馴れ馴れしく接する訳には……。 それに、こう見えても自分は23ですので、歳もそれほど近くはないでしょうし……」

巫女「まあ! 申し訳ありません! お若く見えたので、てっきり……」

トミー「ああ、気にしないでください。 自分が歳より若く見られることは珍しくありませんから」

巫女「恐縮です。 ……ですが、わたくしの方が若輩であるのでしたら尚の事、気楽に接してくださいませ」

トミー「えっと、ですが……」

どうやら社交辞令ではなく、本当にタメ口で構わないと言っているようだ。

ふ~む、どうしたものか……。

申し出通りに気さくに接すれば会話もしやすくなり、正体を見極めるために彼女に接近することも容易になるかもしれない。

美少女とお近づきになることは個人的にも万々歳だ。

だが、他の信者たちが巫女様に対しタメ口を使っている様子はないし、自分だけタメ口で接すれば必然的に信者の中で浮いた存在になってしまう。

申し出を断り、あくまでも一信者に紛れて観察を続けるべきか……。

それともあえて親しげに接し、会話の中から正体を探るべきか……。

そうこう悩んでいると、巫女様が上目遣いにチラッと視線を上げて言った。

巫女「頭に変わった装身具を付けていらっしゃるので、一目見て陽気な人柄の方だとお見受けしたのですが、いかがでしょうか……? そのような方に無理に気を遣わせるのは、わたくしといたしましても心苦しく思いますの」

トミー「…………あー」

そういえば、そうだった。

自分はただ今、絶賛ネコミミ野郎なのだ。

このような場にネコミミ付けてやってきておいて、今更目立たぬよう気を付けたところで、いったい何の意味があろうか。

トミー「……そこまで言うのでしたら、タメ口で失礼しますね?」

巫女「ふふっ。 ええ、どうぞ」

トミー「では改めて、自分は富永大次郎。 今日からこちらに入信させてもらいました。 よろしく!」

巫女「はい。 よろしくお願いいたしますね、富永さんっ」

観念してタメ口で挨拶すると、巫女様は喜んで笑った。

まぁ、とりあえず上手く取り入ることができたと言っていいだろう。

さて、彼女の正体を探るために、このままもう少し会話を長引かせたいところだが……

巫女「…………(じー)」

気付くと巫女様は視線をふたたびネコミミへと送っていた。

……ヘビ人間の敵であるケモノ人間を、このネコミミから想起しているのか。

それとも単に、女の子として変わったアクセサリーに興味を示しているのか……。

トミー「……よかったら、付けてみる?」

試しにそう尋ねてみる。

巫女「よろしいのですか!?」

おっと、予想外の食いつきだ。

巫女様が歳相応の少女らしく目をキラキラと輝かせている。

正直言って可愛い。

トミー「はい、どうぞ」

ネコミミを頭から外して巫女様に手渡すと、彼女は嬉々とした様子でそれを頭に付けた。

巫女「どうでしょう? 似合っておりますか?」

巫女様が少し頬を赤らめ、はにかみながら微笑む。

トミー「…………」

────似合ってますともおおおーーっ!!

自分は心の中で魂の雄叫びを上げる。

きっとネコミミも、野郎ではなく美少女に身に付けてもらうという本懐を遂げ、喜んでいることだろう。

……は~、可愛いにゃ~。

トミー「…………ハッ!」

しまった、またもやボーっと見とれてしまった。

トミー「ごめん! 見入っちゃった。 すごく似合ってて可愛いよ!」

巫女「ふふふ、ありがとうございますっ」

気の利いた褒め言葉でもないが、それでも巫女様は嬉しそうに微笑んだ。

トミー「やっぱり可愛い女の子が付けると違うね~」

巫女「そんなことありませんわ。 富永さんも大変似合っておりましたよ」

そうして和気藹々と語り合っていると、巫女様の背後に2人の男が近づいていった。

巫女様と似たような服を着ているところから察するに、この男たちも信者ではなく教団の人間なのだろう。

その内の1人が、巫女様に静かに声をかける。

教団の男「……すみませんが、そろそろ」

巫女「あらっ、いけません。 ついつい、話し過ぎてしまいました」

どうやら男は、集会を始めるよう催促しているようだ。

お喋りはここまでか。

巫女「申し訳ありませんが、集会の準備を致しますので、しばし失礼いたしますね」

トミー「うん、じゃあね。 ………さて」

自分は巫女様が準備に向かったのを見届け、それから思案にふけった。

もちろん考える内容は「彼女がヘビ人間なのかどうか」である。

受けた印象や、先ほどの会話を頭の中で思い返す。

トミー「………………………………」

…………分からん!

さっぱり分からん!!

ぶっちゃけ、ネコミミも似合う超絶可愛い女の子だってことしか分からない!

そもそも人間かヘビ人間かを、どう見分ければいいのだろうか……?

近くでよく観察すれば何かしら分かるだろうと思っていたのだが、見通しが甘かったようだ。

何かないのか、人間とヘビ人間の見分けるための決定的な違い……。

……もしもヘビ人間が蛇と同様に変温動物なのだとすれば、暑さや寒さに弱いのだろうか?

だが仮にそうだとしても、空調をいじった程度では確かめようがないか……。

トミー「……う~む…………」

巫女「どうか致しましたか?」

トミー────ホワッ!!?」

足元に視点を落とし考え込んでいたところ、去っていったはずの巫女様が下からふいに顔を覗き込んできたので驚く。

周りに気を張っていなかったとはいえ、まるで気配を感じなかった。

巫女「申し訳ありません、驚かせるつもりはなかったのですが……。 何やら難しいお顔をなされておりましたが、ご気分でも優れぬのですか?」

トミー「あーいや、大丈夫! ちょっと考え事してただけだから。 ってか、集会の準備をしに行ってたんじゃ?」

巫女「はい、ですからこれをどうぞ」

巫女様は自分に空のグラスを差し出した。

トミー「……グラス?」

それを受け取りながら周りを見渡すと、教団の男たちが台車を引きながら信者たちにグラスを配っていた。

トミー「えーっと、これは?」

巫女「集会を始める前には、こうして信者の皆様方に聖水を振舞っておりますの。 それでは聖水を注いでまいりますので、またしばしお待ちくださいませ」

巫女様はそう言うと、台車を引いている男たちの所へと向かっていった。

そして、台車に置かれていた白いラベルのビンを抱えると、グラスを受け取った信者一人一人にそれを注いで回った。

あのビンの中身が「聖水」なのだろう。

信者「おおー……! まさか巫女様、御自ら聖水を注いでしてくださるとは……!」

聖水を注いでもらった信者たちの多くが感極まっている。

鈴木さんは巫女様が集会に参加すること自体が稀だと言っていたし、こんな機会は滅多にないのだろう。

巫女「さぁ、富永さんも」

皆のグラスに聖水を注ぎ終えた巫女様がこちらに戻ってきて、自分のグラスにも聖水を注ぎ入れてくれた。

注がれた聖水はうっすらと乳白色をしていて、ほのかに甘い匂いがした。

どこかの湧き水をそのまま聖水としている訳ではなさそうだ。

人工的に作った飲料のようだが、アルコールや麹のにおいもしないし甘酒でもないのだろう。

もちろん薄めたカスピスでもない。

巫女「それでは、集会を始めますね」

自分を含めた信者全員に聖水を配り終えた巫女様はビンを台車に戻すと、修練場の前方へと向かっていった。

全員が巫女様に注目する。

巫女「皆様、本日の集会にお集まりくださいまして、ありがとうございます。 日に日に我が教団を信仰してくださる方が増えているようで、わたくしも大変嬉しく思っております。 これもひとえに蛇神様の祝福の賜物です。 蛇神様の加護のもと、皆様にも祝福と繁栄のあらんことを!」

教団の男たち「祝福と繁栄のあらんことを!」

その声を合図に、信者たちが聖水を飲み始める。

今のが乾杯の音頭だったのだろう。

……自分も覚悟を決めねば。

この教団がヘビ人間の拠点であるならば、この聖水も安易に口にしていいものではないかもしれない。

だが信者のフリをしておきながら、振舞われた聖水を飲まない訳にもいかないだろう。

そもそも、あんな美少女にお酌してもらっておいて、それを飲まないなどという選択肢があるだろうか……?

いや、ない!!

トミー「いただきます」

自分は小声でそう呟き、一気に聖水を飲み干した。

特にクセもなく、スッキリとして飲みやすい味だった。

トミー「ふぅ……。 おおお?」

飲み終えてしばらくしたところ、なんだか体の奥がポカポカとしてきた。

滋養強壮にいい漢方でも入っていたのだろうか、身体全体の調子が良くなっている感じがする。

今までにないほど絶好調な気分だ。

体の芯から湧き上がる感覚に浸っていると、ふと巫女様と目が合った。

巫女「……ウフフ」

目が合った巫女様は嬉しそうに妖しく微笑んでいた────。



その7につづく




それでは今回はこの辺で。

ネコミミ探偵トミーの事件簿『ケモノ人間を追え』その5

こんにちは、あんぱんです!

先日、作業用BGMにYouTubeで音楽を垂れ流していたら、ふいにティンとくる曲が流れてきました。

手を止めてYouTubeの画面にいってみると「温泉むすめ」なるコンテンツの視聴用動画で、「さよなら花火」という曲でした。

個人的に夏の歌ってアゲアゲサマー!って感じより、この曲みたいに夏の終わり頃の物寂しげな雰囲気を漂わせてる曲が好きなんですよね~。

というわけで、キャラの性格などはよく分かりませんが、とりあえずボクスズキメンバーで秋保温泉に行ったこともあるし自分は秋保那菜子ちゃんを意味もなく応援しておきますw

まぁ、そんな話は置いといて、『ケモノ人間を追え』その5スタートです!


前回
『ケモノ人間を追え』その4

前回のあらすじ
地下都市に案内され、ケモノ人間たちの正体が「グール」だと教えられたトミーたち。
だが彼らグールは人間に仇なす存在ではなく、それどころか人にとって危険な存在である「ヘビ人間」と戦っていたのだと知る。
一行はグールのリーダー「キミタケ」に依頼され、彼らグールに代わり、ヘビ人間の計画を阻止することになったのだった。




──── 調査3日目 ────

自分たちは外へ調査に出かける前に富永探偵事務所で作戦会議を行っていた。

八木「さて、ヘビ人間の計画を暴いて阻止するためには兎にも角にも、まずはヘビ人間の拠点を見つけ出さないと話になりませんね」

黒江「それなんスけど、昨日キミタケたちに撃退されて逃げてったヘビ人間どもがいたじゃないっスか? アイツらはあの地下洞窟を墓地の穴の方に向かって逃げていったし、拠点もそっちの方向にあるんじゃないかと俺は思うんスけど、どうっスかね?」

八木「ええ、私も同じ考えです。 現状、他に場所を示す手がかりもありませんし、ヘビ人間の拠点は墓地近辺にあるもと仮定しておきましょう」

トミー「ふむ~。 場所以外で拠点の手がかりになりそうなのは、ヘビ人間の人数かな。 昨日の襲撃要員だけでもそこそこな数がいたし、大人数で活動できるような場所だと考えるべきだろうね。 つまり拠点は『墓地の方角にあって』かつ『それなりに大規模な場所』……と、くれば真っ先に思い当たるのは当然────

黒江────八木さんが目をつけてた新興宗教団体のビルしかないっスね」

トミー「だね!」

更に言えば、先日の八木さんの調査によって教団が蛇の神を祀っていることも判明している。

ヘビ人間の拠点として、ここ以上に怪しい場所は考えられない。

八木「決まりですね。 では本日は、教団のビルが本当にヘビ人間の拠点であるのかどうかを調べることにしましょう」

八木さんの言葉に自分と黒江が頷く。

黒江「じゃあ早速、ビルの付近で教団についての聞き込みっスね」

八木「そうですね。 それにビルを監視して、出てきた信者に直接話を聞いてみるというのもアリかもしれませんよ」

トミー「ハイハイハーイ! ちょーっと待ったーー!!」

黒江「ん? どうしたんスか?」

トミー「わざわざ信者が出てくるのなんて待ってないで、入信希望者のフリしてこっちからビルに乗り込んじゃうってのはどうかにゃ!?」

キミタケたちがあと何日間、地下都市を防衛できるか分からないし、少しでも調査の時間を短縮すべきだと自分は考えた。

だが、この自分の提案に八木さんと黒江は渋い顔を見せる。

八木「……大した情報もない内からビルに乗り込むのは、あまりにも危険過ぎませんか?」

トミー「なら、言いだしっぺの自分が1人で行くよ~。 それならいいっしょ? それにさ、いくら信者に聞き込みをしたところで教団幹部の正体がヘビ人間だなんて教えてくれないだろうし、そもそもそんなこと信者は知らないと思うんだよね~。 だったら自分の目で証拠を掴んでこないと」

八木「確かにそうかもしれませんが……、わざわざ入り口に2名も警備員を配置しているような教団ですし、入信希望者のフリをしても、初めてビルに入る際には手荷物検査などが課される可能性もあるんですよ? それがどういう意味か分かりますよね?」

トミー「それくらいは理解してるにゃ」

つまり信者のフリをして乗り込むならば、何らかのチェックをされる場合に備えて、警備員に危険物と受け取られるような道具の類は持っていけず、丸腰で行く必要があるということだ。

トミー「大丈夫大丈夫。 入り口さえ通っちゃえば、あとは信者に紛れて中の様子を探ってくるだけだし、あんまり深入りしてまで調べるつもりもないからね。 道具は持っていかないよ。 それにそもそも自分、武器の類は持ってないしねw」

自分の主な所持品といえば探偵七つ道具くらいだ。

その七つ道具にしたって、今回の偵察にはわざわざ変装していく必要も証拠として写真を撮ってくる必要もないので、不審がられる危険を冒してまでビルに持って行く必要はないだろう。

トミー「とにかく心配しないで任せておくれ。 奴らも自分ら人間がキミタケたちの仲間になって拠点を探ってるなんて思ってもいないだろうし、グールが地上を出歩けない昼の間はきっと油断してるはずにゃ。 その油断を突いて自分がサクッと偵察してきちゃうよ!」

黒江「……本当に大丈夫なんスか? トミーの方こそ、『ヘビ人間が油断してる』って油断をしてんじゃないっスか?」

それまで黙って話を聞いていた黒江が懐疑的な様子で尋ねてきた。

黒江「江戸時代に書かれた忍術書の中に、未熟な忍が陥りやすい『三病』って教えがあって、『敵を軽んずること』はその内の1つなんスよ。 つまり何が言いたいかっつーと、油断したまま敵地に乗り込んだりしたら、あっと言う間にくたばっちまうってことっス」

……言い方はきついが、黒江も八木さん同様自分のことを心配してくれているのだろう。

だが、そんな心配には及ばない。

トミー「ふふふ、安心したまえ黒江よ! 自分、慢心はしてるけど油断はしてないから!!(ドヤァ」

そう。

自分は裏社会で生きてきたギャンブラーや忍者などと違って、基本的に普通の一般人なのである。 

そもそも今回にしたって、3人のうち最後まで引き受けるのを渋っていたのは自分だ。

そんな自分が、危険なバケモノを相手に油断なんてするワケがないのである!

黒江「まったくなんスか、その詭弁は……?」

トミー「たった3人で悪の組織に立ち向かおうとしてるんだから、敵を見くびるつもりはないけど、自信過剰でいるくらいが丁度いいってことにゃ~」

2人はともかくとしても、もともと楽観主義者でノリと勢いに身を任せるタイプである自分は、多少調子に乗っていてこそベストコンディションなのだ。 

トミー「それに、ビビッて身体が硬くなってるよりかは幾分マシっしょ?」

ニヤリと笑って言うと、黒江はヤレヤレと肩をすくめて、しょうがないとでも言うように笑って返した。

黒江「ハッ。 確かに『恐怖』も三病の1つだし、お気楽でいる方がトミーらしいっスね~」

トミー「ふふーん、これで2人とも納得してくれたようだね。 それじゃビルの調査は自分にお任せだよ!」

八木「はいはい、そこまで言われては止める訳にもいきませんね。 頼みましたよ、トミー」

黒江「じゃあビルはトミーに任せて、俺と八木さんは念のため、教団ビルの他に怪しい場所がないか調べるとしましょうか?」

八木「そうですね」

こうして作戦は決まり、自分たちは教団ビルのある場所へと向かったのだった。



────────────────────────────────

1時間後。

教団ビルの近くに到着した自分たちは、近くの建物の陰に隠れて教団ビルの様子を確認していた。

外から見たところビルは4階建てで、八木さんの事前情報通り、入り口には2名の警備員が立っている。

トミー「よし。 それじゃ行ってくるにゃ」

八木「では、お気を付けて。 私たちはトミーが無事にビルに入れたのを見届けてから聞き込みに向かいますよ」

トミー「うん。 じゃあまた後で!」

それぞれの調査が終わった後に2人とは再びこの場所で落ち合う約束を交わし、自分はビルの入り口の警備員たちに歩み寄っていった。

トミー「こんにちはー!」

警備員A「ん? なんだねキミは?」

トミー「すみません、自分ここの教団に入信したいんですけど……」

警備員A「ああ、入信希望者か。 ……というか、なんなんだねその耳は?」

警備員B「ネコミミなんてつけて、可笑しな奴だな」

トミー「ははは。 ……自覚はしてます」

もうネコミミについて、アレコレ言われるのも想定内である。

警備員B「自覚があるとは、ますます可笑しな奴め……」

警備員たちはジロジロとこちらの姿を改めた。

警備員A「ふむ、ネコミミの他には変わった物はもっていないようだな。 では付いて来なさい」

トミー「はーい」

姿恰好を改めるだけで持ち物検査はされないようだ。

念のために七つ道具は事務所に置いてきてしまったが、まぁいいだろう。

とにかく第一関門を無事突破し、自分はビルへの潜入に成功した。

警備員A「……おっ、鈴木さん丁度いいところに! こちらは新しい入信希望者だ。 彼を案内してやってくれないかい?」

鈴木「ええ。 分かりました」

警備員A「それでは私は入り口の警備に戻るから、あとは頼んだよ」

警備員Aはビルの1階エントランスにいた鈴木という中年男性に自分の案内を任せ、入り口へと戻っていった。

鈴木さんと軽く会話をしたところ彼は教団側の人間という訳ではなく、自分より先に入信した先輩信者だそうだ。

気さくで人が良さそうだし、彼からは教団について色々と訊き出せそうである。

鈴木「私たち信者が使う修練場は2階にありますので、とりあえず2階に行きましょうか」

鈴木さんの案内に従って階段に向かう。

すると、このビルの1階には上り階段だけじゃなく下り階段も存在することに気付いてしまった。

トミー「あれ、もしかしてこのビルって地下もあるんですか?」

鈴木「ええ、地下1階までありますよ。 もっとも地下は私たち信者は立ち入り禁止ですけどね」

外観から4階建ての建物だと思っていたのだが、まさか地下フロアがあったとは……。

だが偵察の時点で地下フロアの存在を知ることができたのは大きな収穫と言えるだろう。

2人に報告すべき情報が早速手に入ったことに少し上機嫌になりながら、自分は鈴木さんと共に2階の修練場に向かった。


鈴木「さぁ着きました。 ここが修練場です」

修練場は2階に上がってすぐの部屋だった。

鈴木さんが扉を開けると、中には自分が思っていたより大勢の人間が集っていた。

見た限りでは幹部らしき人物はいない。

おそらくここにいる全員が鈴木さん同様、先輩信者という訳だ

信者たちは男性女性隔たりなく、年齢層も若者から高齢者までと幅広かった。

トミー「驚きました~。 ずいぶん人がいるんですね。 いつもこんなに集まるんですか?」

自分がそう尋ねると、鈴木さんは少し興奮気味にこう答えた。

鈴木「実は今日は定期集会の日で、しかもなんと本日は巫女様も参加なされるそうなのです。 巫女様が『謁見の間』以外で私たちに姿をお見せしてくださるのは、とても珍しいことなんですよ。 富永さんは入信しに来たばかりだというのに、早速巫女様に拝謁できるなんて運がいい!」

ふむふむ、おそらくはその巫女様とやらが、教団の最高幹部である「イキガミ様」とか呼ばれてる女なのだろう。

念のため、鈴木さんに確認してみる。

トミー「その『巫女様』というのは? 教団の噂で『イキガミ様』という名は聞いたことがあるのですが……」

鈴木「ええ、巫女様はイキガミ様とも呼ばれております。 私たち信者にとって、まさに神様のような方なんですよ」

やはりそのようだ。

しかもこれからここに来るとは、鈴木さんの言うとおり我ながら実にツイてる。

トミー「そんな方に早速会えるなんて、楽しみです!」

このビルがヘビ人間の拠点かどうかを確かめるには、教団幹部の正体を見極めるのが一番だ。

すなわち単純に、幹部がヘビ人間だったならアタリで、普通の人間だったのならハズレという訳だ。

それも最高幹部であるイキガミ様ならば証拠として申し分ない。

……正直に言って入り口の警備員たちは近くで会話をしても人間にしか見えず、正体がヘビ人間なのかどうかなど全く分からなかった。

だが、警備員の正体を見極めることにはあまり意味がないのだ。

仮に彼らがヘビ人間だと判明すればそれが証拠になるが、その逆に人間だと判明した場合には、教団が只の人間を警備員として雇っているだけの可能性も考えられるため、なんの証拠にもならないからである。

だからこそ、自分は巫女様の正体を見極めることだけに全神経を集中させればいい。

トミー「……巫女様は具体的にどういった方なんですか?」

鈴木「そうですね~、それはお会いになってからのお楽しみということで! きっと富永さんも驚きますよ~!」

集会が始まるまでに巫女について色々と訊いておこうと思ったのだが、鈴木さんは詳しく教えてくれなかった。

はぐらかされたと言うよりも、何やらもったいぶられたという感じだ。

ここであまりしつこく訊いたら不審がられる恐れもあるし、自分は当たり障りのない世間話などで信者の輪に溶け込みつつ集会が行われるのを待つことにしたのだった。



────────────────────────────────


そのまま数十分ほど時間を潰していると、突如修練場に歓声が上がった。

自分は何が起こったのかすぐに察した。

ついにお待ちかねの人物のご登場という訳だ。

そのことを示すように、信者たちがワッと修練場の入り口に集まっていく。

信者A「来たぞ! イキガミ様だっ!!」

信者B「ああ、巫女様!」

信者C「巫女様ぁー!!」

鈴木「来ましたよ! あの方が私たちを導いてくださる巫女様です!」

そうは言うが、周りを取り囲む信者たちが邪魔で、肝心の巫女の姿がよく見えない。

トミー「……ぐぬぬ、見えない……」

懸命に背伸びをしてみたが、無駄。

それならばと、ピョンピョン飛び跳ねてみたが、それすらも無駄だった。

自分の背の低さを呪う……。

トミー「ふん。 まぁ、いいさ……」

どのみち、囲まれているところをチラッと覗き見た程度では正体は確かめられない。

それに胡散臭い宗教の最高幹部である巫女様など、ミステリー漫画によく出てくる「祟りじゃあー!!」とわめき散らす謎の婆さんみたいな奴に決まっているのだ。

そんな面を拝むのは集会が始まってからでも遅くないだろう。

だが集会が始まるのを大人しく待とうと思った矢先、巫女の方がこちらの存在に気づいた。

巫女「……あら? 今、後ろの方で跳ねていらっしゃった方は、新しい信者の方でしょうか?」

トミー「む?」

どうやら飛び跳ねたことは無駄ではなかったようだ。

こちらに興味を示した巫女のために、彼女を取り囲んでいた信者たちが左右に分かれて道を開く。

その道を巫女がまっすぐ自分に向かって歩み寄ってきた。

トミー────!?」

その姿を見て、自分は言葉を失った。

巫女「ふふふ、初めまして」

トミー「は、初めまして……」

戸惑う自分はやさしく微笑む巫女に対し、ぎこちなく挨拶を返すのがやっとであった。

それほどまでに唖然とせざるを得なかった。

……巫女はきっと祟りババアだなんて自分の想像は、とんだ見当違いだったのだ。

目の前で、ニコニコと微笑む巫女────

その姿は10代半ばほどの美しい少女だった。



その6へ続く





トミーのプレイヤーである自分がリスク承知で半ば強引にビルの探索を推し進めたのは、手早く探索してタイムリミットに猶予を持たせるためという理由のほかに、実はキャラ作成の際にトミーを探索要員にしようと思って作成していたからという理由がありました。

「変装」に技能ポイント極振りしてMAXにしたのはその名残ですねw

この時はまだ、戦闘パートになったら八木さんと黒江に任せて自分はサポートに徹しようと思っていたのです。

そして、だからこそ戦闘が起こる前に自分も多少無茶してでも役に立っておこうと考えたのです。

そう、この時はまだ……


それでは今回は、この辺で。

ネコミミ探偵トミーの事件簿『ケモノ人間を追え』その4

こんにちは! ただ今ミリシタ絶賛プレイ中のあんぱんです!

最近ガチャが更新されましたが、無事20連だけで限定百合子が引けました~( -`ω-)どや!


前回
『ケモノ人間を追え』その3

前回のあらすじ
墓地の穴から続く地下洞窟を調査していたところ、3人は洞窟の奥から銃声が聞こえてくることに気付く。
とっさに身を隠したが、トミーが上手く隠れるのに失敗してしまったためケモノ人間たちに見つかってしまう。
だが思いのほか彼らは友好的で、トミーたち一行はケモノ人間が暮らす地下都市へと案内されるのだった。




自分たち3人は、おそらくこの地下都市のメインストリートに当たるのであろう大きな道をケモノ人間たちに率いられ練り歩いていた。

見たところ建物は基本的には石造りでヨーロッパの古代遺跡のような街並みだが、街を照らしているのは松明などではなく、道沿い立っている街灯の明かりであり、どこかアンバランスな印象を受ける。

しかも、よく見るとガス灯ですらなく、電灯のようだ。

黒江「こんな地下の街にも電気が通ってるんスね」

ケモノ人間「ああ、ちょいとばかり地上から拝借させてもらっているよ。 人間の街から勝手に盗んでいる事になる訳だが、我らがここで暮らすためにもなにかと電気は入用でね。 その辺は大目に見てくれ」

トミー「ほえ~」

自分はキョロキョロ辺りを見回しながら皆の後について行く。

その様子はさながら「おのぼりさん」に見えるだろう。

ケモノ人間「さぁ、ここだ」

彼らに案内された場所は、街の中心に位置する一際大きな建物だった。

ケモノ人間「この建物はこの街の中枢であり、私たちの信仰する神もここに祀られている。 早い話が神殿だ」

八木「なるほど。 納得の壮観さですね」

絢爛豪華な建物というわけではないが、どことなく神々しさを感じる。

自分たち3人は神殿の中の会議室のような部屋に通され、席に着いた。

ケモノ人間────彼らへの話は私がする。 他の者は全員持ち場に戻れ」

リーダー格の者が指示を出すと、彼以外のケモノ人間たちは一人を残し、神殿を去っていった。

残った一人は席に着かず、そのままリーダーの席の後ろに控えた。

おそらくはリーダーの付き人的な役職なのだろう。

ケモノ人間「……さて、キミたちをここに呼んだのは他でもない、実はキミたちに一つ頼み事をしたくてね。 ……と、その前にまずは自己紹介をしておこうか。 私の名は『キミタケ』。 この街の長をしている」

それに続き自分たちも軽く自己紹介をする。

すると、キミタケは黒江の自己紹介に反応した。

キミタケ「ほう、キミは忍なのか。 これは好都合かもしれんな」

黒江「……そう言うあなたたちは何者なんスか?」

キミタケ「おっと、これはすまない。 キミたちは『ケモノ人間』の正体を求めて調査をしていたのだったな? まずはそれに答えるのが礼儀だったな。 我らは『食屍鬼』。 『グール』と名乗った方が分かりやすいかな?」

黒江「食屍鬼っ!?」

ケモノ人間の正体に、黒江が目を剥く。

自分も「グール」という名には聞き覚えがある。

確か、人間を襲って死肉をあさる怪物たちだったはずだ。

キミタケ「安心したまえ。 少なくともこの街に暮らすグールは、キミたち生きている人間を襲ったりはしない。 それにこの国は土葬ではなく火葬が主流であるため、墓をあさって骸を貪るような真似もしていないぞ。 ここでは動物の肉を主食にしているよ」

黒江「なるほど……」

黒江はホッと息をついた。

彼らは人間に害をなさぬようなので、退治する必要はないと判断したのだろう。

……さて、ケモノ人間と敵対する必要がないことがハッキリ分かったところで、自分はどうしても彼に言っておきたいことがあった。

トミー「……1つ、いいかな?」

キミタケ「なんだね?」

トミー「……『キミタケ』が『キミたち』って言ってると思うと、なんかジワるにゃ」

八木「トミーもですか。 実は私もそれが気になって仕方ありませんでした(メガネクイッ」

トミー「八木さんもか。 ジワるよね?」

八木「ええ、ジワジワ来ます」

黒江「ちょっとあんたら! 少し前まで、初めて見る異形の者の姿にビビってたはずなのに、なんでそんなどうでもいいこと、真顔でジワウケしてんスか!?」 

キミタケ「あー……、話を戻していいかね?」

キミタケは自分たちの茶々をさらりと受け流した……と見せかけて、その顔はどこか気恥ずかしそうな様子。

野生的な見た目に反し、内面は意外とナイーブらしい。

キミタケ「では話を戻すが、この街のグールは面倒事が嫌いでね。 先ほど言ったように、電気こそ人々に気づかれぬよう少しずつ拝借させてもらっているが、普段は極力地上に出ることなくこの地下都市で静かに暮らしているのだ。 キミたち人間にこの街の存在が発覚しては不味いからね。 ……だが最近になって、ただ地下で安穏と過ごしているわけにもいかなくなってしまったんだよ」

黒江「その原因が『奴ら』っスか?」

キミタケ「ああ、その通りだ。 ……ふーむ、そうだなぁ『ケモノ人間』という呼び名にならって奴らのことを仮に『ヘビ人間』と呼ぶことにしよう。 奴らヘビ人間もキミたちが言うところの『異形の者』であり、我々グールとは敵対関係にある存在なのだ」

ヘビ人間────。

先ほどグールたちと銃撃戦をしていた連中も異形の者だった訳か。

キミタケ「実を言うとこの地下都市は、元々はヘビ人間たちの街だったのだ。 太古の昔、奴らヘビ人間は大いに繁栄していた。 だが盛者必衰というべきか、いつしか次第に衰退していき、それに伴っていくつもの街が打ち捨てられたそうだ。 この街もそんな捨てられた街の一つでね。 空になっていた所に我らグールが新たに住み着いたという訳だ」

八木「……つまり先ほどあなた方と戦っていたヘビ人間たちは、かつて先祖たちが放棄してしまった地下都市を奪い返そうとしていたという事ですか?」

キミタケ「ああ、そうだ。 だが我らグールの一族がこの街に住み着いてから既に久しい。 もはやこの街は我らの故郷であり、そう易々と奴らに奪い返されるつもりはない」

黒江「じゃあ俺たちに頼みたいことってのは、襲撃してくるヘビ人間の撃退を手伝って欲しいってことっスかね?」

キミタケ「……それは少しだけ違うな。 どうも奴らは地下都市の奪還だけが目的ではないようなのだよ」

黒江「と、言うと?」

キミタケ「我らも最近気づいた事なのだが、どうやら街の奪還は目的ではなく手段に過ぎず、奴らはそれ以上の何かを企んでいるようなのだ」

トミー「何かって何にゃ?」

キミタケ「それは分かっていない。 だが、とんでもない大掛かりな事を企んでいることだけは確かだ」

キミタケはそこで一度顔をしかめ、重たい溜息を吐いてから話を続けた。

キミタケ「……実はこの辺りの地域には、この街の他にもかつてヘビ人間が放棄した都市遺跡がいくつか存在していてね……。 そして、それら全ての街が『龍穴』の上に造られているんだ」

トミー「『龍穴』……ってなんだっけ? なんか聞いた事がある気はする……」

 黒江「陰陽道や風水術において、繁栄がもたらされるとされてる土地のことっスよ。 この大地には『龍脈』っていう自然エネルギーが流れる通り道があって、その自然エネルギーが大地から溢れてる場所が『龍穴』っス」

八木「日本国内で有名な場所だと、伊勢神宮や日光東照宮などがそうですね」

トミー「なるほど、つまりパワースポットか!」

キミタケ「ああ。 だが困ったことに、この街以外の全ての遺跡が既にヘビ人間たちの手に戻ってしまったのだ」

八木「……ヘビ人間たちは龍穴の力を何らかの計画に利用しようとしているということですね。 そしてこの街こそが最後の砦であると……」

この街がヘビ人間に奪取されてしまえば、この地域一帯全ての自然エネルギーがヘビ人間の手に渡ってしまうということか。

キミタケ「我らも懸命に奴らの企みを暴いて防ごうとはしているのだが、奴らの活動拠点はどうやら地上にあるようで、我らは深夜に人間の目を避けての行動を余儀なくされていてな……。 そのため未だに奴らの計画内容はおろか、拠点の正確な場所すら判明していない始末だ……」

トミー「地上に拠点!? じゃあヘビ人間の企みってのは、もしかして地上侵略なのかにゃ……?」

八木「その可能性は大いにあるでしょうね……。 そして、あなた方グールが地上に姿を現すようになったのは、ヘビ人間の拠点を探していたためだったんですね」

キミタケ「そうだ。 我らとしては人間に見つかり、噂になるつもりはなかったのだがな」

目撃例が一件や二件というレベルではないことは、彼らの名誉のために黙っておこう。

きっと、獣耳なんてついてると悪目立ちしてしまうんだ。

ちょっと同情……。

黒江「えっと……、ちょっと待ってほしいっス。 なんで食屍鬼たちは深夜にコソコソ行動してるってのに、ヘビ人間の方は地上に拠点を持てる上に、昼間っから堂々とこっちに攻撃に来れるんスか?」

キミタケ「ふむ、キミたちは逃げていく奴らの顔を見ていないようだな。 厄介なことに奴らは人間ソックリに擬態することが出来るんだよ」

黒江「マジっスか!? 確かにそいつは厄介っスねぇ」

なんと、変装は自分の十八番なのに思わぬライバル出現だ。

キミタケ「しかも奴らは真っ暗な闇の中でも目が利いてな。 我らも夜目は利くほうなのだが奴らほどではなく、暗い地下洞窟での戦いはどうしてもこちらが不利になってしまうのだ。 かと言って街の明かりが届く場所まで奴らを引き寄せるリスクなどは背負えないしな……」

なるほど、つまりヘビ人間たちは明かりなど必要なく、この街の街灯はグールたちが住むようになってから立てられたってことか。

どうりで街灯だけ古代風の街並みに不釣合いな訳だ。

キミタケ「このままでは我らはジリ貧で、この街が奴らに奪われるのも時間の問題だろう。 ……そこで本題だ。 我らに代わりヘビ人間たちの企みを暴き、それを阻止してくれないだろうか? 計画さえ阻止できれば、奴らがこの街を奪おうとする理由もなくなるはずなのだ。 どうか頼む!」

黒江「なるほどね。 そういう事なら、もちろん俺たちに任せ────

トミー「お断りにゃああぁぁーー!!」

黒江「ハアァァーーッ!? ちょ、トミー!? なんで今の流れでそうなるんスか!?」

トミー「だってヘビ人間って人間に擬態できちゃうような、とんでもないバケモノなんでしょ? そんなバケモノの計画を阻止しろなんて、どう考えても一介の私立探偵の仕事じゃないじゃん!」

自分がケモノ人間についての調査を始めたのは自らの無実を証明するためであって、バケモノたちが跋扈する不思議な世界に首を突っ込むためではない。

こうして本物のケモノ人間が見つかったのだから自分の無罪は証明できたワケだし、これにてお役御免だ。

トミー「黒江がキミタケに協力しようと、悪いけど自分はここで降りさせてもらうからね!」

黒江「キミタケに協力しないで地上に戻ったところで、この街が敵の手に落ちれば、どのみち人間にも害が及ぶかもしれないんスよ! それにトミーは危険を省みないハードボイルド探偵目指してるんじゃなかったんスか!?」

トミー「ハードボイルドってのはヒロイン役にセクシーな美女がいて初めて成り立つジャンルなんだよ! 登場人物が男とケモノとヘビしか出てこない事件なんかに、とてもじゃないけど命なんて懸けられないにゃあ!!」

八木「……トミーの言うことにも一理ありますね。 私たちは黒江と違って特別な訓練など受けていませんし、バケモノに関わる仕事など安請け合いはできませんよ」

黒江「なっ!? 八木さんまで!?」

そら見たことか、やはり八木さんも乗り気じゃない。

これで協力することに反対なのが2名、賛成が1名。

もはや答えは出たと言えよう。

たが、その様子を見ていたキミタケがふいに話に割って入ってきた。

キミタケ「……まぁ、キミたちにしてみれば急な話ではあるし、こちらも簡単に受諾してもらえるとは思っていないよ。 ……では『頼み事』ではなく『依頼』ではどうだろうか?」

八木────!」

その言葉に八木さんがピクリと反応する。

キミタケ「おい、アレを取ってきてくれ」

ケモノ人間(部下)「はい、ただいま」

キミタケが自身の後ろに控えていた部下に指示を出すと、部下は別の部屋から小さな飾り箱持ってきて、それをテ-ブルの上に置いた。

キミタケ「開けてみたまえ」

言われた通りに箱の蓋を開け、自分は目を丸くした。

トミー「こ……これは……っ!!」

圧倒的な存在感。

煌びやかな輝き。

箱に入っていたのは、紛うことなき金の塊だった。

キミタケ「小さなものだが、それだけで日本円にして100万円の価値はあるだろうな。 私たちに代わってヘビ人間の計画を阻止してくれたあかつきには、この街で所有している全ての金塊をキミたちに報酬として支払おうではないか」

八木さんが目の色を変えた。

トミー「や、八木さん!? いくら金に目が眩んだからって、協力するのは危険過ぎるって!!」

八木「……おや? 知らないんですか、トミー? 金は命より重いんです」

この男、完全に乗り気になってる……!

これで賛成反対の多数決は逆転してしまった。

トミー「う~ん……。 そうだ! 八木さんは警察官な訳だし、警察本部に応援を呼べば────

キミタケ「それは駄目だ。 そんなことをすれば我らの存在が人間に広く露見してしまう可能性があるからな。 出来る限り少人数で秘密裏に行動して欲しい」

トミー「秘密裏って言ったって……。 ……じゃ、じゃあ黒江の忍仲間は!? 忍たちなら本職だし、秘密裏に行動してくれるはずにゃ!」

黒江「……それは難しいっスね。 少なくともヘビ人間の計画内容を明らかにしないと、新米の俺に仲間を動かす力はないっスよ」

……つまりどうあっても、自分たち3人だけでやらなきゃいけないということか。

やはり危険すぎる。

トミー「ぐぬぬ……。 2人が乗り気になったところで、自分は絶対イヤだからね!」

自分の首を縦に振らせたいなら、このまるで華のない依頼に、美女の1人や2人連れて来いってんだ!

トミー「自分はやらないったら、やらないからねっ! いくら金を積まれようとトミーは自分を曲げないよ!」

そんな自分に、八木さんがそっと囁いた。

八木「……古今東西、金持ちの男は女性にモテモテ。 それがこの世の真理ですよ?」

トミー────!」

……お金があれば……モテモテ?

八木さんの悪魔的囁き!!

自分の覚悟がグリャリと歪む……!

トミー────2人とも、いつまでここにいるつもりだァ!? さっさと悪の組織を潰しにいくぞおぉッ!!」

八木「ふっ、私の準備ならとっくに出来ていますよ!」

黒江「……なんともまぁ現金な奴らっス……」

キミタケ「おぉ! それでは、やってくれるのだな?」

トミー「もちろんにゃあ! ヘビ人間の計画なんてサクッと阻止して、晴れてモテモテになってやんよぉ!!」

キミタケ「では、よろしく頼むぞ! この街の守りは、もってあと数日といったところだ。 この街が陥落する前に、なんとしてでも奴らの計画を暴き、阻止してくれ!」

自分たちはキミタケとガッチリと握手を交わした。

こうして自分たち3人は報酬の金塊と引き換えに「ヘビ人間の計画を阻止する」ことになったのだった。



その5へ続く



いや~、依頼を素直に引き受けなかったり、警察組織を頼ろうとしたり、まったくトミーは悪い探索者ですね~w

それでは今回はこの辺で。
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